音楽学校 アルファノートミュージックスクール ~立川・国立で楽器を習う~

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スクール長:四月朔日義昭

ギター・ソロ・スキップ論争

2022/05/15

こんにちは。スクール長の四月朔日です。今日はネットで話題になっている「ギターソロ・スキップ論争」について書いてみたいと思います。

「若者はギターソロをスキップして音楽を聴く」「歪んだギターが入った曲は聴かない」などなど。こんなツイートが話題となっているようです。
サブスクやYouTubeの登場で10秒以上イントロや間奏を待てないという層が増えています。YouTubeも早送りして聴いている方も沢山いますし、よく分かります。

なぜギターソロって入っているの?
ギターソロはボーカル曲などで間奏の際にボーカルから主旋律をバトンタッチしてギターがリードを取る際によく使われるアプローチです。
音楽のジャンルによってはピアノ、サックス、シンセなどの楽器もソロを取ります。
ずっと歌が鳴っていると脳が疲れてしまうので、曲中に間奏を入れて歌詞のストーリーを場面転換したり、リセットする意味合いもあります。
逆に間奏でリード(主旋律)を入れないケースが最近増えています。
エモい雰囲気の曲が増えてコードやアルペジオなどで雰囲気を作るようなアプローチが増えてきています。洋楽的なボーカルギミック的なアプローチも増えています。

ギターソロ弾きたい?
楽器を演奏する人、とくにエレキギターを弾いている方はギターソロ弾きたいんじゃないでしょうか?エレキギターを弾いているとチョーキングなどいかにもエレキギターらしいアプローチに惹かれていきます。ロックの元ともいえるブルース的アプローチも覚えて、ギターソロの楽しさを覚えていくのが自然な流れです。今どきの雰囲気重視のアプローチはエレキギターを弾いていてもわくわくする楽しい要素が少ないですが、合奏感は大きく得ることができます。
バンドをやりたい方には最近の曲、お勧めです。

余談
個人的には編曲(アレンジ)仕事の場合、ギターソロを入れる入れないは楽曲のイメージ、タイアップイメージ、アーティストイメージなど加味して検討することが多く、最近はやはりギターソロを入れることが減りました。ただ面白いことにギターレコーディングを依頼される場合はソロを入れることが多いのですが、自分が編曲する場合ギターの比重が少ないという不思議な現象。編曲していると全体を見ることがあるので、いらないという選択肢を選びやすいのでしょう。ギターソロはただ単にテクニックを見せるものではなく、曲の雰囲気を彩るもの、と捉えているのでギターソロのアプローチは腕の見せ所だと思っています。

以前ギターとベースをレコーディングさせて頂いた神田沙也加さんの「流星」ではスライドギターのソロを弾いています。

韓国のユン・サンヒョンさんのアルバムでのギターレコーディングでは主旋律からのバトンタッチで楽曲を盛り上げるイメージで弾きました。

結局
ギターソロがいるいらないの論争は置いておいて、個人的には弾いてて楽しければどんどん弾いたほうが良いと思います。音楽の歴史を知れば知るほどギターソロに限らずアルペジオ、コードバッキング、リフなどルーツがあり、それらの歴史、どのように枝分かれしていったか知り、演奏することで音楽、楽器の楽しさが倍増します。ギターソロにも歴史があります。70年代のロックのギターソロに名演といわれるものが多いのは、曲を代表なリフ、フレーズをギターが弾いていたものが多かったため、自然と主旋律は歌とギターという構図になっていたのも考えられます。なによりメロディからのバトンタッチしたギターソロはロック特融のエモーショナルなボーカルの色を引き継いだり、別の色に変えたり責任重大です。このような環境だからこそ歴史に残るようなソロが多々生まれたのではないでしょうか。

みなさんもギターソロ、楽しく弾きましょうね。