ギターにおける「ロー・インターバル・リミット(Low Interval Limit)」について
2025/03/21
こんにちは、ギター講師の大石善也です。
先日用がありまして、家族で羽田空港に行ってきました。
初めて近くで見る飛行機に興味津々な息子。
スターウォーズの飛行機もカッコ良かったです。
さて、タイトルについて説明させていただきます。
以下、「ロー・インターバル・リミット(Low Interval Limit)」を省略表記して”LIL”とさせていただきます。
”LIL”は簡単に言うと、心地良い和音で鳴らせられる限界値のことです。
ベース音からの距離でたくさんの制限があるのですが、低音に限る為、通常のギターチューニングではほとんどありません。
表現で言えば濁ったような音でしょうか。
ただし絶対にNGと言うことではなく、人によって感覚は違いますし、場合によっては積極的に使っていくこともあります。
まずは以下のコードダイアグラムをご覧ください。
[G]コードです。
赤丸のところは6弦3フレットG音からの3度と言う和音になるのですが、実は”LIL”の限界値を超えており、濁る観点からすると、どちらかというと省略したい音になります。
生徒様よりよく「赤丸の音が綺麗に鳴らない。」といったご相談があります。
これを解決しようと①のような押さえ方で弾く方も見受けられます。
先にもご説明させていただいたように、5弦の音は絶対に必要な音ではないので、②の方を積極的に覚えた方が良いと思います。
詳しい理由は省きますが、大きな意味として2つのことがあります。
1. 薬指は中指より短い為、5弦を意識せず自然にミュートできる。
2. [C]コードフォーム等、他のコードに移行しやすい。
以上のことから、寧ろミュートされている状態がオススメです。
また、ワウンド弦(低音の巻き弦)は多少触った状態だと全く鳴らないのではなく、「ブゥ〜ン」といった独特な音価を得られます。
この他にもいくつか”LIL”に引っかかるコードがあります。
・C/Eコードの6弦開放E音
・Em7の4弦D音 等々。
上記以外にもいくつかあります。
しかしながら、コードサイトや教則本でOKとしていることが多いです。
良しとする理由をいくつか私の憶測で書きます。
・”LIL”を基準にしても、そこまで不快にならない為。(ギリギリアウトぐらいの音程。)
・ギター1本でも音の厚みや和音の響きを出したい為。(弾き語りや少人数が前提。)
・基本的に6本をジャカジャカ弾くものとして想定している為。(リズムが安定する。)
この辺りは記事の序盤でお伝えしました「積極的に使っていく」に該当すると思います。
これ等のことまで絡めていくと、どの音を省けば簡単に弾けて難易度を下げられるか、更には心地良い響きになるかといったところまでコード和音を解釈することが出来ます。
レッスンでは以上の事柄を一つ一つ丁寧にお伝えしております。
作曲・編曲の際にも必須の知識となりますので、皆様も是非”LIL”を体感し、紐解いてくださればと思っております。